1984年中国の旅(1)

1984年、中国への個人旅行が外国人に解禁されて間もないころ、香港経由で中国に入った。まだ日本から直接中国に入って個人旅行をすることはできない時代だった。その時に撮った写真をアルバムに貼る際につたない文章を書き残していた。


そのアルバムを17年後の2001年にデジタル化した。そのころまでに何度か中国を個人で旅行する機会もあり、知識も増えていたので、1984年の文章にコメントを加えた。


自分にとっては強く印象に残った旅であり、すっかり変わってしまった中国の貴重な記録でもあるので、その二つの文章を残したままアップすることにした。したがって、コメントは1984年のオリジナル、2001年のデジタル版、そして今回の2020年のものと三重構造になる。

1984年 中国の旅(1)

 人生を変えた旅、とまでは言わないけれど、自分にとっての一番印象に残っている旅というのが、誰にでもある。私が今までに何度なく出かけていった旅の中で、一番を選ぶとしたら、迷うことなくこの旅だ。
旅の直後から、この印象は強烈だったらしく、撮りだめた写真とともに、つたない文章を書きとめて、旅のアルバムを作っていた。どうにかして、この記録を残しておきたいと思っていたが、写真のネガを取り込めるスキャナーが思わぬ安価で手に入ることを知り、早速買い求めて、写真を取り込んだ。文明の利器により、私の四半世紀も前の旅が、思わぬ形で、やや色あせ、痛みのある画像とともに蘇った。気がむけば、しばらくのお付き合いをお願いしたい。(2009年)

デジタル化にあたり、最初は紙のアルバムをデジカメで撮った。それが2001年。そして2009年にスキャナーで再度取り込んだ。上のコメントは2009年。(2020年)

 1984年7月、私は初めての中国旅行に旅立った。長い休暇を取っての一人旅だった。中国の個人旅行が一般に解禁されてまだ間もないころのことだ。中国語の学習もその年の4月にテレビの中国語講座を聞き始めたばかりで、聞くことも話すこともまったくおぼつかない状態だった。中国は今の中国の内陸部と比べてもまだまだ貧しく、私自身も貧しかった。必然、その旅は貧乏旅行とあいなったが、多くの驚きがあり、多くの出会いがあり、もちろん多くの発見もあった。まだ飲茶も知らず、中国語も話せず、中国映画もほとんど見たことがなく、香港映画でさえ、ブルース・リー、ジャッキー・チェンらのカンフー映画とホイ兄弟らのコメディーしか知らなかった。後に自分自身が中国大好き人間になるとはまったく予想もつかないころの自分がいた。
いわば私の旅の原点ともいうべきこの旅を当時の記録を元に再現してみたい。(2001年版)

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