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2018年6月 初瀬街道琴引(奈良県宇陀市室生三本松)
初瀬街道は大和からの伊勢へと向かう伊勢参りの道であった。その初瀬街道の室生三本松のあたりには、宿場町の面影が残っていた。
初瀬街道の室生三本松の宿場街には街道沿いに昔は旅館だったという建物が200mくらいの長さにわたって並んでいる。結構素晴らしい町並みなのだが、通る人もなく、静かに往時の面影だけを残していた。
「是より東名張まで二里なにがし」「西萩原(榛原)まで二里なにがし」の石碑。ちょうど榛原と名張の中間くらいだったようだ。
宿場のはずれの方にある「かまや」さんのご主人によると、昔はこのあたりには宿屋がたちならんでいたそうだ。
「かまや」という屋号は風呂釜からきているのではないかとご主人は推測しておられた。しかし、大きな風呂釜があった形跡というのは今の建物にはないそうだ。「かまや」だけれども釜はなかったのではないかというのがご主人の説だ。ご主人に逆らうようだが、「かまや」というのは、ひょっとすると農機具の鎌からきているのかもしれない。
かまやさんの隣の空き地には石灯篭があって、その裏には寄進した宿屋の名前が刻まれている。
それらの宿屋の跡のお宅には昔の屋号の札がかかっていた。
残念ながら、現在も宿屋を続けておられるうちはないそうだ。お伊勢参りも鉄道の旅となり、このあたりを歩く旅人はいない。宿屋がなくなるのも必然のことだ。ひっそりとした街道筋に宿場町の面影だけが残っていた。
街道沿いに1軒だけ和洋折衷の大きな建物があった。近くで看板を見てみたら、旧三本松村役場とあった。納得の建物だった。
2018年6月 奈良県宇陀市室生三本松
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