木津 本町 Kizu, Kizugawa, Kyoto

1992年1月。 京都府木津川市木津町。

自分が生まれ育って今も住んでいる木津川市だが、写真を撮ることはめったにない。私の家からは2kmほど離れたところに昔の町の中心部があり、そこが本町だ。車では週に1回は必ず通過するが、本町の通りを歩くことはない。

本町には私の子どものころは商店がたくさんあり、ときどき買い物に行った。村の子どもにすると町に出かける感覚だった。もっと大きな町に行きたいときは奈良に行った。年に1回か2回百貨店に連れてもらったが、その時は京都に行った。大阪は大都会で高校生くらいまでほとんど行ったことがなかった。今の生活からは全く想像もできないが、村の中ですべての生活が完結していた。買い物というのは必要な時に必要なものを買いに行くもので、ウインドショッピングというものは田舎にはなかった。

古い町並みを訪ね歩くようになって、本町の魅力を再認識した。それでカメラを持って観光気分で出かけたことが2度ばかりある。写真の日付を見ると1992年と2011年だ。その頃には本町のお店屋さんはすでにさびれていて静かな町並みになっていた。

まずは1992年1月の写真。お正月なので、よけいにひっそりとしている。

つし二階、虫籠窓、出格子といった昔の関西の民家の特徴を備えている。

 

   呉服屋さん(?)。

     料亭川喜。

ここからは2011年の写真。昔の奈良街道は奈良の東大寺の西の県庁のあたりから般若寺などのある奈良阪を経て市坂から木津に向かっていたようだ。旧の国道24号線がそれにあたり、市坂から木津に入るところで国道は町をはずれてつけられていた。私が子どものころにはすでに国道は木津駅と本町通りの間を通っており、旧街道はそのまま残った。

 料亭、川喜。

大谷のあたりで国道から離れた旧街道はそのまま北に進み、やがてこのあたりで木津川に突き当たる。昔はそこに船着き場があったようだ。元は船宿であったであろう料亭が何軒かあった。川喜は今もある。木津で宴会というとこの川喜で、うちの父などは入り浸っていたようだ。私は就職は大阪でしたので、ここを使うことはほとんどなかった。

 

下の写真の本町の信号の所にあるこの立派な建物は呉服屋さんだったような気がするが、最近(2020年ごろ)きれいに改築された。建物はそのままできれいに昔風の民家として残された。1992年の写真にも写っている。左側の一心堂さんは同じ時期に取り壊された。

 

信号より南の方が町家はたくさん残っている。

             

写真に写っている町家は今でもほとんど残っている。またカメラを持って出かけるべきかもしれない。

 2013年3月

(それぞれの写真はクリックすると拡大されます)

#古い町並み #奈良街道 #木津川市 #木津 #木津本町

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